つづき。
映画祭の企画打ち合わせのあとは、
また車を走らせ、以前取材を行い、ライジングのルポでもとりあげた
福島県双葉郡広野町へ立ち寄った。
ここには、海沿いの3万平米の敷地に、黒い土嚢を膨大に積み上げた
放射性廃棄物仮置き場がある。
いま、どうなっているのか・・・
行ってみると、ついに広大な敷地も土嚢で満杯になってしまったようで、
敷地外にはみ出して見えていた土嚢も、白い壁を増設してがっちり
ガード、大きな鉄板の扉は封鎖されており、鎖で施錠。
『立ち入り禁止』
の看板が吊るされていた。
ドローンを飛ばせば、すごい光景が見えるんだろうけど、
もう、たまたま通りかかった人には、その奥になにがあるのかは
わからないといった状態だ。
こんな現実がある一方で、今朝のニュースは
「川内原発は、フル出力運転を開始しました」。
地元民のインタビューでは、
子供を抱いた若い母親が
「反対です。どうして再稼働できるのかわからない」
と答えたほかは、
「賛成ですね。やっぱり原発で暮らしてきた町なんで」
「原発がないと困るからねえ」
といった『概ねなんとなく受け入れ』のムードが作られていた。
この再稼働と同時に、経産省は、原発関連の交付金の金額を
見直すと発表していた。
再稼働しない自治体には、金額を減らすというやつだ。
「さあ川内に続け」と、あわてて再稼働されていくんだろう。
そして、このまま全国
『なんとなく忘れて、概ねなんとなく受け入れ』に流され、
事故の教訓も生まれず、まともな総括もなされず、
そのままうやむやにしてしまうんだ。
なんとなく、みんなで責任をとらない。
反対するなら、責任もって反対しなきゃいけないんだ。
なのにやってることは『ファッションとしての反対』じゃん。
流行が過ぎたら興味なくなるんだもん。
来春の流行の『反対』はなんだろーね!!!